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心身に負担の少ないブレインジムエクササイズ

更新日:2020年10月28日


熊本震災支援に於ける被災者の声


熊本の被災地支援に於いて被災者の方々から頂戴した困りごとは

・震災後に肩や腰の疲労がぬけずに倦怠感がのこる

・いつまでも自分の身体が揺れているような気がする

・余震があるかもしれないので、車の中で過ごしている

・眠りが浅く日中にも眠気がおそってくる

・緊張感が強くのこり、特に夜になると不安が増す


などが多くありました。


小さなお子さまをもつ保護者さまからは


・震災後に落ち着きがなくなり、不安に駆られてよく泣くようになった。

・夜中に夢でうなされて、目が覚めてしまうようだ

・自分自身も泣きたくなり、子どもを怒ってしまうことがある

・肩こりや頭痛がつづいていて、休んだ気がしない


このような意見を頂戴しました。






ブレインジムエクササイズの選択と活用


被災地支援では、熊本YMCA様のご協力のもと、黒川地区や阿蘇地区の保育園にてブレインジムを用いた運動の機会を設け、子どもだけでなく保育士・教職員のみなさまにも一緒にエクササイズを体験して頂きました。


熊本で出逢った子どもたちの状態は、発達障がいを抱える子どもたちの様子と似ている部分が多くあったため、臨床研究で衝動性や不注意に対して変化のみられた、準備体操として行う「PACE」の運動を選択しました。加えて両手で絵を描くエクササイズをみなで行いながら、目と手の協調性を高めるように促しました。


阿蘇市役所に於ける職員研修では、心身のリラックス&リフレッシュを目的としたワークショップを提供し、セルフケアに役立てやすいブレインジムを中心に腱防御反射を和らげるストレッチを提案しています。


公的機関でのワークショップの際には、ご自身も被災されながらも、心理的サポートに従事している支援者のかたにも多くいらっしゃり、その激務と精神的負担の大きさに圧倒されたことを覚えています。

個にも集団にも活用しやすいエクササイズ


こころの緊張が強い場面では、筋肉も緊張していることが多く、まずはゆっくりとしたストレッチを行いながら、身体の深部にある筋肉群をほぐすことが効果的です。加えて、アイソメトリックトレーニングを応用したエクササイズで、深い呼吸を意識してもらい不安解消の一助とすることは、集団への提供時には重要だと感じました。


ブレインジムは、年齢や性別に関係なく実践することができ、大きな場所や器具なども不要であるため、簡単に活用することができることが特徴で、1度講座を受講すればその後はセルフケアに役立てることができます。


このため、心身に大きな負担を負っているかたへの個別相談にも活用できる一方で、学校や災害現場などで、集団にも応用しやすい提要範囲の広いプログラムだと言えます。


シンプルな運動で、ダイナミックな心身の変化を体感できることは、熊本に於ける10回以上開催された、ワークショップの参加者からの声でも明らかです。まずは、身体を動かす事で安心安全を体得し、心の平安を得て生活をしてもらいたく思っています。


ブレインジムフォーラムでの発表


被災地支援の様子は、3回にわたり精神科医の仁木啓介氏より報告をして頂きました。入院患者さまへのブレインジム活用事例や心理教育の重要性についても豊富な資料をともに分かりやすく紹介頂いています。


自然災害が減ること、被災地の皆様の心の回復と復興支援が進むことを希望していますが、今後もブレインジムを必要とされる際には、いつでも声をかけて頂きたく思っています。


そして、セミナーや講座の受講後には、参加者のみなさまがご家庭に持ち帰りご家族や職場の仲間とともに、一緒に運動を実践してくださることを期待しています。平衡感覚やビジョントレーニングなど、医療従事者の皆様にとりましては簡単な運動ですので、ぜひ活用いただき、多くのかたを支援して頂くことこそフォーラムの意義だと思っています。

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